人工透析シャントがある腕は気をつかう
透析をする為に必要なシャントなんですが
このシャント腕は、何をするにも気をつけなければなりません。
シャントとはなんぞや?
シャント (shunt) とは、血液が本来通るべき血管と別のルートを流れる状態のことである。 ふつう、動脈と静脈が肺循環系や内臓を含む毛細血管を介さず直接吻合している箇所を指す。
シャント腕にやったらアカンこと一覧
シャント閉塞させてしまったり、シャント狭窄してしまうかもしれない行為をいくつかあげます。
シャント腕に腕時計をすること。
私はシャントを作製するまで左腕に腕時計をしてましたが、シャントを作製してからは右腕にしています。
(※この写真は腕時計をしてるふりです。)
シャント腕側で血液測定をすること。
血圧測定をする時って、計測部分が腕を絞めつけるので血流が滞りますよね。
(※右腕で測定して、左腕に巻いただけですのでご安心を)
シャント腕をぶつけること。
シャント腕をぶつけて、太くなっている血管から出血すると大変なことになります。実際、歩いている時にバランスをくずしシャント腕をぶつけて、内出血を起こし、腕がパンパンになって運ばれてきた透析患者を見たことがあります。その人は、処置室に運ばれてきたのですが、その場で緊急オペをしてました。凄く痛いみたいで泣き叫んでいたのを覚えています。
シャント腕を叩くこと。
例えば、夏に蚊が血を吸ってるところを見つけて「バチン!」なんて勢い良く叩いちゃうと大変なことになりかねませんので、払うだけにしましょう。叩きたくなりますけどね(笑)
シャント腕で腕枕をすること。
ウトウトしてると、ついつい腕枕をしたくなります。腕を曲げる上に頭をのせるとシャントに結構な負担をかけることになります。
(写真を撮る為に一瞬だけ腕枕しました。真似しちゃだめですよ~)
シャント腕を体の下側にすること。
血流が滞って腕が痺れる事態になっちゃいます。こうなるとシャントが閉塞してしまうかもです。
(写真を撮る為に一瞬だけしました。真似しちゃだめですよ~)
寝る時も気を使います
シャントがある方の腕が、寝返ったりした時に下着で血管を圧迫しないように意識しなくちゃなりません。そうしないと、寝てる時に何だか目覚めると腕が棒のようになってて痺れてしまってること、たまにないですか?これって多分、寝返ってるうちに下着が脇の血管を絞めてしまい、血液がそこで止まってしまうから腕が痺れると思います。実際、シャントがある腕で数回やってしまいました。シャントがある腕が痺れて起きた時は、驚いて飛び起き即行シャントに耳を当ててシャントをチェックします。幸い今のところ大丈夫でしたが、これが原因でシャントが駄目になったら嫌なので、私は真冬でも寝る時には、タンクトップを着て寝ます。タンクトップを着て寝るようになってからは、腕が痺れて起きたことはないです。
シャント腕に鞄やビニール袋などをぶらさげること。
いっぱい買い物をして、持つのが大変な時は、この持ち方をやっちゃいそうになります。
(安心してください。荷物入ってませんから(^▽^))
とにかく血管を圧迫したり、ぶつけたりする行為が駄目なんです
シャントを作る前は、腕の血管なんか全く気にせずに過ごしてきました。いざ動脈と静脈を繋ぐシャントを作ると、日に日に静脈が太く成長してきます。本当に太くて立派な血管になります。目立たなかった血管が盛り上がり、少しでも傷つけば血が噴き出るんじゃないかとビビリながらの生活です。この太く立派な静脈を圧迫して血流を滞らせてしまうと、せっかく成長した静脈がぺったんこになり、シャントが閉塞したり狭窄して使えなくなります。こうならない為に、とにかくシャントを圧迫しないことと、ぶつけないことです。
シャント閉塞やシャント狭窄ってなに?
シャントが詰まることをシャント閉塞といいます。いくつかやったらアカンことをあげましたが、この他にも感染が原因でシャントが詰まることや、長期間透析をしてるとシャントが詰まってくることがあります。他にはシャント閉塞だけじゃなくて、詰まる兆候に見られるシャント狭窄もあります。シャント狭窄とは、シャントの血管が狭くなることです。これらの様な状態になると血流量が確保出来なくなるので、十分な透析をすることが出来なくなってしまいます。
シャント閉塞やシャント狭窄になったらどうするの?
狭くなった血管にはPTA(血管拡張術)を行います。透析仲間はPTAの事を「風船」と呼んでいます。血管が詰まってしまった場合は、血栓の除去を行うようです。それでも血流量が確保出来なければ、シャントを作り直す修復術を行うみたいです。実際、PTA(血管拡張術)をしても改善しなくてシャントを作り直す透析仲間もいます。シャントを作製してもらう先生で、詰まるか詰まらいかの差が随分とあるみたいです。
シャント閉塞の早期発見の為にシャントエコー
シャント閉塞になる兆候を見つける為に、病院では定期的にシャントエコーを実施してくれます。
その様子は次回のお話でしますね。
シャントの管理は大切です
毎日、自分で出来るシャントチェックやマッサージをしましょう!
①毎日、シャントを観察し異常がないか見ましょう。
②穿刺した箇所は清潔にしましょう。
③シャント腕をマッサージしたり、やわらかいボールを握ったり、ゆるめたりを繰り返しシャントを維持しましょう。
④シャントに触れてみて、血流で生じるスリル(振動の有無)が正常なのかを確認しましょう。
⑤シャント音を聴診器で聞いたり、耳で聞いたりして異音(狭窄音)がないか確認しましょう。シャントが詰まってくると狭窄音(ヒューヒュー)と聞こえます。
シャントの正常音や異音を聴くことができます。聞いておくと自分のシャント音の具合が分かると思います。
どうでしたか?シャントの正常な音や、シャントが詰まってきてる狭窄音など聞けましたよね。どうか参考になさってください。
シャントチェックは、毎日の事なので正直面倒臭いですが、歯磨きのように習慣化するように心がけましょうね。
次回、「人工透析シャント血管の状態を知るシャントエコー」です。
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